医療系リワーク

メンタルヘルスの休職復職・再就職支援プログラム「医療系リワーク」とは?

リワークという言葉をご存じでしょうか?リワークとは、return to workの略語で、うつ病などこころの病気で休職になった従業員を対象とした職場復帰支援プログラムです。うつ病という病名が付いていなくても、うつ状態、適応障害、双極性障害、不安障害(パニック障害など)の方も対象となります。

今日はメンタルヘルス支援として非常に有効なプログラムであるリワークについてご説明したいと思います。

リワーク(職場復帰支援プログラム)とは

医療系リワーク

リワークは一般的に以下の目的で利用されます。

・決まった時間に施設に通うことで生活リズムの確立や、会社に通うことを想定した訓練となる。
・心理教育などのプログラムで再発予防、再休職予防を目指す。

4つのリワークが存在

リワークとひと口に言っても、それぞれの実施機関によって内容は様々です。ただ、プログラムの内容、目的でリワークは大きく4つに分けることができます。今日はその中でも最重要とされている、医療系リワークについて説明させていただきます。

医療系リワーク

医療系リワークは、心療内科クリニック、精神科病院が実施主体となっています。別記事でお話する障害者職業センターのリワークと並び、現在メジャーなリワークといえるでしょう。1日のプログラム時間の長さにより、ショートケア(3時間)デイケア(6時間)デイナイトケア(10時間)に分けられますが、参加日数も週2日~5日と実施機関により様々です。

参加者、実施機関それぞれに考えがあると思いますが、職場復帰を目指すのであれば、職場と同じ時間実施しているプログラムに参加すること(最低週5日間のデイケア)が重要だと思います。一般社団法人日本うつ病リワーク協会のホームページより、お近くの実施医療機関を探すことができます。

医療系リワークの目的は、以下の2つとなります。

(1)プログラムを通して自分の病気や自分自身に対する理解を深め、セルフケアの方法を身につける。
(2)復職だけでなく、復職後の再発・再休職予防を目指す。

目的にあるように、医療系リワークは教育のプログラムが充実しており、再発・再休職予防のためのリハビリ的な意味合いが強くなっています。

【実施プログラム】
認知行動療法*1、自己分析、心理教育(疾病教育*2、アサーション*3、ストレスマネジメント*4、アンガーマネジメント*5、ビジネスマナーなど)

模擬仕事、オフィスワークなど

*1認知行動療法・・・ものの受け取り方や考え方(認知)のバランスを取って、ストレスに上手に対応できるこころの状態を作るためのトレーニング

*2疾病教育・・・主体的に治療に関われるようになるため病気や治療についての正しい知識や情報を学ぶこと

*3アサーション・・・自分も相手も大事にして主張はしっかり行うが、相手は傷つけない配慮されたコミュニケーションのこと

*4ストレスマネジメント・・・ストレスとの上手な付き合い方を考え、適切な対処法をしていくこと

*5アンガーマネジメント・・・怒りや苛立ちといった感情を適切に管理、コントロールすること

プログラムの参加期間は4つあるリワークの中で最も長くなっています。      

医療系リワークの【期間】

3ヶ月〜6ヶ月程度(東京では6ヶ月以上のプログラムが多い)

費用は、健康保険証を使い、国で決められた診療報酬の3割を参加者自身が負担します。しかし、公費負担制度に申し込むことで1割負担にすることができます。(各々の前年度の収入によって、支払上限額も決められる)

医療系リワークの【費用】

・前年度の収入により異なるが、多くの方が1ヶ月の支払い上限額が10,000円となる。
・自立支援医療はリワークだけでなく、心療内科での診察代・薬代も合わせて申請でき、支払い上限額に含まれるので、新たな持ち出しは5,000円程度となる。
・前年度の住民税が235,000円を超える方は上限額が20,000円となる。

医療系リワークのメリット

医療系リワークを利用するメリットは、以下の通りです。

【メリット】
・精神科の医師、看護師・臨床心理士など医療スタッフによる医学的リハビリテーションを受けられる。
※他のリワークにはない!治療的要素強い!

・長期間のプログラム、大人数のプログラムに参加することで、より深い内省、行動変容が期待できる。
※自分の力だけで自分の中にあるこころの歪みに気づくことは難しい!でも、他の人の姿や言動から自身の特性に気づく方はとても多い。

・復職にはまだ時間の掛かる「生活リズムが整ってきた」「外に出られるようになった」くらいの状態から利用でき、症状回復のサポート機能としても利用できる。
※他のリワークより早めに参加できる!リワークを使うことが、症状回復の大きなきっかけに。

・復職後も、継続したフォローアッププログラムにより、再発・再休職を予防できる(実施の有無は施設による)。

医療系リワークのデメリット

医療系リワークを利用する場合、デメリットもあります。

【デメリット】
・休職期限が短い従業員は利用できない。
※参加のための説明会からプログラム終了(職場復帰)までは短くて4~5ヶ月掛かる。
・職場との連携は他のリワークより少し弱い。
※基本的に実施機関は利用者寄りの立ち位置で、会社へのフィードバックは多くない。
・統合失調症の方*1、職場以外のことが原因で休職された従業員*2はプログラムにフィットしにくい。
*1自己分析(休職した時の自身を客観的に振り返り、文章にまとめること)の負荷に耐えられず、調子を崩してしまいやすい。病状により、客観的な振り返りが困難。
*2プログラムの軸は「働きにくさの改善」だから。

医療系リワークまとめ

医療系リワークの特徴が理解頂けたでしょうか?心療内科クリニック、精神科病院が実施主体となっている医療系リワークは、リワークの中でも代表的な物となります。次回は、4つあるリワークの中で、医療系リワークと並ぶメジャーなリワークである、障害者職業センター(職セン)のリワークをご紹介します。

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